RATクローン製作のツボ h/w

松美庵様も記事にされている VINTAGE RAT REISSUE クローンを、実機のサウンドに近づける自作のツボ他を下に紹介致します。下は私が複数台のクローンの製作を通じて得た経験に基きます。

1.フィルム・コンデンサにはXICONのマイラ(ないしは国産の同程度の)等の安価なタイプを用いる。
(私はYAMATOのマイラでよい結果を得る事ができました。試してはいませんが、おそらく
AVX, ECQ系ないし, F2Dであれば良好な結果が得られるのではないかと思います。)
2.セラミック・コンデンサには、円盤型の安価なタイプを用いる。
  (ブランドものでも無名の中国製でもOK。ディップタンタルの様な形状の高価なセラコンは使用する必要なし。
   また、マイカを使うとサウンドからエッジ感が失われる。)
3.抵抗は通常のカーボンとする。
  (ブランドものでも無名の中国製でもOK。金属皮膜と、カーボンコン・ポジットは使ってはならない)
4.サウンド信号が通る部位の電界コンデンサには MUSE BP を用いる。
  (Fine Goldでは、ヌケと高音の伸びが良過ぎRATっぽいサウンドには向かない。
   また、BPは双極性だが、足の長い方を+側に、短い方を-側に接続した方が良い。)
5.電源系の100uFと、1uFのコンデンサはFine Goldを用いる。(耐電源ノイズ性の向上の為)
  ちなみに、Fine Goldを使えば、100uFと並列に配置される容量の小さいコンデンサは省略してかまわない。
6.レイアウトは松美庵様のモノが良い。もし、1590Aサイズに小型化したい場合は”ソウルパワーさんの”RATっぽい”」のレイアウトを、松美庵さんの回路図に基き修正すれば良い。
7.ICは、クランチ音にコダワルならば、モトローラのLM308がお勧め。 
  普通に使用する分には、ナショナル・セミコンダクター社のLM308でも、OP07でもOK。
  なお、缶タイプのLM308AHはゲインが高い。(パワフルな音が欲しい方にのみお勧め)

ちなみに、RATのMODについては下のURLの情報が参考になります。
・ http://www.beavisaudio.com/Projects/FKR/images/MightierMouse.gif
・ http://www.muzique.com/fx/fat-rat.htm

なお、RAT の豪華版であるランドクラフ MO-D を作りたいなら、XICONのカーボン・コンポジション抵抗とAVXのフィルムコンデンサと、出力に近い所のタンタルタンタル・コンデンサ=Sprague 173D の入手が必要です。
逆にこれらのパーツがそろわなければ、近いサウンドのものは作れないと思います。
例えば、カーボン・コンポジション抵抗に KAMAYA を代用すると、サウンドが軽く、硬質になると思われます。

【補足】
 オリジナル~2000年前後のRAT(含むRAT2)のサウンドには定評があります。

 その理由の一つが、オーバードライブとしても使える程の音のマイルドさです。

 当時のRATはBOSS OD-1に近いサウンドをも出す事ができます。
 実際のところは、プレゼンスが効いたBOSS OD-1のサウンド特性(持ち上げる帯域)をベースに、エッジ感を加味したペダルがRATであると解釈した方が適切かもしれません。

 人気のあるマイルドなRATのサウンドは、部品にLM308、マイラコンデンサ、セラミックコンデンサ等のローファイで安価なパーツを採用する事により、創り出されています。
 但し、未だPROCOが無名であった、ごく初期のRATのみでは、ブランド知名度を上げるためか、高価な部品が適用されている様です。

 年代を経るにつれ、RATのサウンドは硬質になり、それ故に古いRATの価値が現状ではあがっているのではないかと思われます。

 サウンドとコスパの良い、ムーアのRATコピー・モデルは、LM308を採用しているものの、精細な高音が表現できるアンプで演奏すると、ジリジリという耳障りな高音が耳につきます。
 RAT作りのベースとして「デジットのディストーションキット」もありますが、こちらもRATよりハイファイなコンデンサを使っているため、よりRATらしく作るにはパーツのグレードダウンが必要です。(問い合わせると、基板単体で購入できる場合もあります。)

 IC=LM308のベンダーはナショナル・セミコンダクタとモトローラともう一社(名前失念)があります。
 更に、ナショナルセミのLM308には世代間の差があります。
 クランチ音のサウンドのみは、モトローラICが良好だと感じますが、他はOP07と大差ないというのが私の印象です。

 なお、私はモトローラIC搭載のVINTAGE RAT REISSUEを愛用しています。
 但し、VINTAGE RAT REISSUEにもナショナル・セミコンダクタのLM308を使っている個体や、OP07を使っている個体があります。

【蛇足】
 金属皮膜抵抗+オーディオグレードのコンデンサを適用し、高輝度青LEDを使用し、定番のクリップ切り替え機能を追加した…
 私の経験上、良いサウンドバランスが得られるはずのない(おそらく硬質なサウンドの)RAT2・MODが法外な値段でヤフオクで取引されているのを見かけました。
 落札された方は、おそらく、自作の知識のない方なのでしょう。
 自作愛好者として、その様な不誠実な行為は決してしまいとの念を深くしました。

【蛇足2:現行RATの改造】
スラントトップの現行RAT(OP07CP搭載)は、ハイミッドの歪み音がギリギリとした耳障りな音で、音抜けが悪く、フィルターのトーンカーブが異なる(効きが甘い)ため使いづらく感じますが…
これをベースにMODし2000年前後のRATサウンドを再現する事が出来ます。
(ここではVintage Rat Reissueの音を志向)
下の8か所のパーツ交換をするのみでオーバードライブ(OD-1に似ている)的にも使用でき、クランチ~ハイゲインまで多くのスイートスポットがある昔のRATの音が得られます。

1.抵抗を100Ωに交換(あまりサウンドに効かないので省略可)
2.抵抗を1.5KΩに交換(  〃  )
3.1uFのMuse BPに交換
4.4.7uFのMuse BPに交換
5.4.7uFのMuse BPに交換
6.2.2uFのMuse BPに交換
7.OP07CPをOP07DPに交換※1
8.0.0033uFのマイラコンデンサに交換
※1、2000年前後のVintage Rat Reissueより取り外したものを使用。(旧RATで使用されていたOP07DPなら、未だサトー電気さん等から購入可能のはず)
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長くなりすいません。

ではでは<(_ _)>