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zoom RSS Tube Screamer激似! OD-10 Mad Driverの回路図と1590A自作レイアウト

<<   作成日時 : 2017/07/29 07:35  

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ここではチューブ・スクリーマーのサウンドを非常に良く再現している OD-10 Mad Driver, Biyang の回路図と、1590Aでの自作レイアウトを紹介します。
サウンドサンプルは下参照。
・OD-10とTS-808の比較 … https://youtu.be/Pf__vWQ9riM
・OD-10とフルドラの比較… https://youtu.be/q3BE7Obb7Is

ジャズを演る際に、初期のビルフリのSGスチューデント・モデルのP90の歪みサウンドや、カート・ローゼンウィンケルのリア・ハムを使った歪みサウンドを、それっぽく出すにはTS系のペダルが必須です。

その様な際に、OD-10 は「バッファ無しのTS系(※1)」ながら、そのサウンドは「バッファの有りTS系ペダル」と非常に似ており、サウンド品位も高く、またローノイズで重宝します。
※1、Eternity ないしは Son of Screamer系の回路

金皮抵抗とWIMA等を使って、バッファ無しで TS-9 のサウンドを再現するという OD-10 の回路に興味がありトレースしましたので、下に報告します。

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【回路図】
まず、OD-10の回路図(※2)を下に示します。
※2、Jack Orman氏(深謝<(_ _)>!)の2013年版の Son of Screamer の回路図に手書きで加筆。

画像


@歪のエッジ感を決めるC2に本家TSでは音を太くするタイプのフィルムコンデンサが使われます。しかし、高音が伸びるWIMA 0.1uF(J級)を使う事でエッジ感を強め、今風のサウンドを狙っている様です。
 なお、TSでは0.047uFと4.7Kを組み合せるのが定石で、0.1uFを使ってしまうと、カットオフ周波数が低くなり、サウンドの重心が本家TSよりも低音側になるハズなのですが… 出音はTSと似ていて興味深いです。
 ちなみに、OD-10では、C2とR2の配置が入れ変えられてます。
 (例、C2の位置にR2が取り付けられている)
 但し、C2とR2の配置は入れ変えても、入れ替えなくてもサウンドに違いはないハズです。
 また、C1にはEPCOS製?と思われるブルーのBOXコンデンサ(容量不明)が使用されています。
(OD-10の他のロットでは、赤いBOXコンデンサが使われている場合もあります)

A&B 1Kの抵抗Rxと、47pFのセラコンRxを入力段に追加しています。音が硬くなるのを抑える目的のローパスフィスタとしてとらえた場合、カットオフ周波数が20kHz以上なので意味がないと思うのですが… 
もしかすると、プリバッファのサウンドを模擬しているのかもしれません???
 
Cトーン回路には、定数が本家TSと同じ0.22uF(K級)のオレンジ色の積層フィルムコン(メーカー不明)が使われています。

D出力側のカップリングコンデンサに、低域が良く出て音が太くなる1uF(K級)のECQ-V(生産完了品)を使う事で、回路全体のサウンドバランスが高域にかたよらない様に工夫している様です。
自作する場合にはECQ-Vは入手性が悪くなってきていますので、音を太くするAVXに似たサウンド特性持つMUSE-BPを使えばOKだと思います。

E1Kの抵抗Ryを追加していますが、ここは、もしかするとポストバッファを追加した場合のサウンド変化を模擬しているのかもしれません???
(プリバッファ模擬ではCxが付加されていましたが、100KBのポットによるハイ落ちがあるため 47pF程度のコンデンサを追加しても有意なサウンド差が得られなかったために省略したのかも…)

FTE Connectivity製の100uF(25V)のオーディオ用ではない安価な小型電解コンデンサ×2個を電源平滑用に使用しています。(18Vの昇圧に対応できる様になっている!)
C2、R2のラインは、C8を介して接地していると考えられるため、自作する場合には、C8に関しては、念の為、非オーディオ用途の安ものwを使うとOD-10のサウンドを再現しやすいと思います。

GOD-10ではクリッピング・ダイオードの構成をトグルスイッチ(3P,ON-OFF-ON)で切り替えられる様になっているのですが、なかなかユニークな回路になっているため、下に基板レイアウト(回路図)を示します。
画像

BRIGHTモードは、私が知っている回路図の中では、最も非対称性が強いです。
これで、使えるサウンドが出せるというのは、興味深いです。
但し、ペダル単体でのローゲイン歪み(=クランチ)では、さすがに和音がニゴってしまい使いにくく感じます。


【自作レイアウト】
自作レイアウト※3を下に示します。
※3、IvIark氏(深謝<(_ _)>!)のtagboardeffectsにアップされているレイアウトに手書きで加筆。
C1周りは手抜きで空中配線にしてしまいましたがw、工夫すれば基板内に納められます。
なお、11ピッチ X 15ピッチのサイズですので、Hammond 1590Aに収納できます。

画像


・トーンノブをフルに回す直前で急激に高域の量が変化するため、OD-10で使われているBカーブをCカーブに変えるか、Aカーブを使ってRATのフィルタの様に逆回転ノブにすると使いやすくなりそうです。
・VolumeもBカーブよりAカーブの方が使いやすいと感じます。
・使用抵抗は実機に合わせて1/4Wの小型サイズの金皮が良いでしょう。
・コンデンサはC1は念のためEPCOS?(F2DでもOK)、C5がECQ-V(Muse-BPでもOK)。他のフィルムコンデンサは皆WIMA(C2は必ずJ級を使う)でOKだと思います。47pFの所はセラコン、電解コンC8は非オーディオ用の小型のモノ、C7は100uF(25V)はFineGoldがベターですが、安価な小型コンデンサでもOKでしょう。


【所感】
回路に使われている部品にこだわりが感じられコスパも良好というコンセプトは、かつてのModTone(SPEED BOX)や、ノアズ・アークのペダルに通じるものがあります。
中華ペダルですので半田作業等は粗いですのですが、ペダル売価は自作する場合と大差ない点が素晴らしいです。
但し、長い目で見ると中国も人件費が上がっていくので、残念ながら将来にわたって安価に提供され続け定番化する事は考えにくいでしょう。

興味深いのは、ケース自体の造りは良く、コストがかかっていると思うのですが、意図的に非常に重くしている点です。反して、バイパスにミレニアムを使う事でコストダウンをはかっています。
全世界に輸出されている機種ですので、重い→頑丈→質感が高いという(主に)米国人が好きそうな仕様になっているのだと思います。
もし、日本人が企画するペダルだった、ケースは軽量・簡素にし、True Bypassを採用している事でしょう。(ミレニアムのポップノイズは、ほとんど感じられないレベルである事を補足しておきます)

総じてペダルの完成度は高く、「名機?Bad Monky、JOYO TS Clone、Drive Train等から乗り換えた」という海外でのレビューが多く見られました。
回路と部品が秀逸・良質で、MODの必要性をほとんど感じません。
しいて改造するなら、TRUE BYPASS化と、POTの高品位化・カーブの見直し位でしょうか。どちらも、自作に慣れている方なら簡単に作業できる造りになっている点も好感度大です。

ではでは
2017年7月吉日
【お願い】自作は自己責任でお願いします<(_ _)>

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