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zoom RSS Sparkle Drive の自作 〜海外の VEROBOARD レイアウトに基づく〜  H/W

<<   作成日時 : 2016/04/30 17:50   >>

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かつて市野元彦先生からレコーディングに使ったと教えてもらった VooDoo Lab Sparkle Drive を製作しました。
クリーン・ミックス機能があるため、歪みサウンドでもコード感を残せる点がユニークです。

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エフェクターの回路図や基板のレイアウトについては、海外の方が情報が多く、今回は、海外Webで良く見られる VEROBOARD(※)レイアウトの情報に基づき、ユニバーサル基板にて自作してみました。
※、ストライプ・ボード(STRIPEBOAR)とも呼ばれるが、WebではVEROBOARD(基板のブランド名)と書かれる事が多い。裏面(半田面)に横方向に導通線が予めプリントされている。

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参考ですが、海外のエフェクターの回路・基板レイアウト・改造情報等をWebを探す際には、下の様な単語列で検索すると見つけやすい様です。

例1 Sparkle Drive Schematic
例2 Sparkle Drive Layout もしくは Sparkle Drive Layout Verified
例3 Sparkle Drive DIY
例4 Sparkle Drive Mod もしくは Sparkle Drive Modding

【補足】
回路は Circuit よりも Schematic という単語で検索した方がヒットする事が多いです。
また、Verified = 実証済 は、「基板レイアウトに基づき製作し、動作を確認した場合」もしくは「実機と基板の回路が同一である事を確認した場合」に基板レイアウト図上に記載される様です。
但し、個人が発信するWeb情報ですので”Verified”と書かれていても信頼度は???ですので、別途、回路図を見つけて比較を行い、整合確認をすべきでしょう。

基本的に VEROBOARD は、ブレッド・ボードを組んで確認した回路を基板化する際に便利で、海外では好まれて使われている様です。
また、VEROBOARD で書かれた基板レイアウトでは、部品の取り付け方向は縦となり、基板裏面の半田付けの方向は横となります。また縦方向にジャンパ線が適用される事が多いという特徴があります。
なお、VEROBOARD でのレイアウトは、ユニバーサル基板でのレイアウトと比較すると、部品の実装密度が低くなる(基板のサイズが大きくなる)欠点があります。


【製作準備】
VEROBOARD の情報に基づきユニバーサル基板で自作する場合は、まず、横方向に連続して半田付けする範囲の区切りを確認すると良いでしょう。
(Cutの場所で半田付けの範囲が分割される事に注意)
また縦方向のジャンパ線の途中で、裏面に導通させる場合がありますので、これにも注意が必要です。
 - Cutは「赤い四角」で示されます。
 - ジャンパ線の途中で裏面(半田面)に導通させる部分は「青い丸」で示されます。
私は製作ミスを避けるために、横方向に半田付けする範囲を青ボールペンでレイアウト図に上書きしたり、ジャンパ線がどこで裏面につながるかを手書きで補足等したものを製作前に用意する様にしています。

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【基板の製作】
基板への部品実装の際には、劣化部品の交換及び追加MOD等を想定し、分解しやすい事等に配慮しています。
今回は、基板上面の電解コンデンサーと、トランジスターを倒しています。
これは、今回製作では2連可変抵抗(厚みが大きい)を使用しているため、基板取付部品がケースの蓋とぶつからない様に配慮した結果です。
最後に、ICソケットには、必ず丸穴の物を使っています。(板バネ式のICソケットは接触不良が発生しやすい)

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【基板の動作チェック】
基板単体で動作チェックを行い、今回も、一発動作させる事に成功しました。
フットスイッチ・電源ジャック等の全ての部品を取り付ける前(ケースに収納する前)に、基板が正しく製作されている事を確認するのは、手戻り作業を避けるために重要だと考えています。

まず、最初のチェック時には、全てのノブを12時に合わせ、インプット及びアウトプットには機材を接続しない状態とし、9V電池(アダプターは使用しない)を接続し、電源電圧が約9Vである事と、インプットとアウトプットそれぞれの直流電圧が数10mV以下である事を確認します。
(製作ミスによって、電源ショートの発生や、最悪9Vの電圧がギターやアンプにかかる危険性がありますので) 
次に、壊れても構わない単体ピックアップと音叉で、入力信号を発生させ、壊れても構わないアンプシミュレータ等にアウトプットを接続し、エフェクターの正常動作を確認します。
最後にギターとアンプを接続し、サウンドチェックを行います。

なお、エフェクターの設計者よりも電気回路に詳しくないと、壊れたエフェクターを修理する事は難しいらしいです。
同様に、一発動作できなかった場合に、修正が必要なポイントを見つけ出すのは大変困難です。
必ず一発動作させるためには、製作時には部品の値や取付位置を繰り返しチェックする事が必要です。
また、製作前に、別々のWebサイトでレイアウトと回路図を探し、必ずレイアウトと回路図の一致性を確認する事も重要です。

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【基板完成後の製作作業について】
私は、動作チェック済みの基板をケースに収納する前に、基板とPOTとを配線したヒトカタマリのモジュールを作り上げる様にしています。
なお、その際には、穴あけ済みのケース上面にPOTシャフトをさし込んで、POTと基板の位置決めに注意しながら、基板〜POT間の配線長さを短くし、配線を極端に曲げない事や、配線への引っ張り力が掛からない事に配慮しています。

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また、モジュールの製作の際にも、劣化部品の交換及び追加MOD等を想定し、分解しやすい様に配慮しています。
また、基板〜POT〜ケース間の接触によるショートを避けるために、一番適したPOTの向きを決め、合わせて十分に絶縁材を取付ける様にしています。

配線にはベルデンの撚線を使いました。サウンド的な配慮よりも、配線作業やハンダ作業のしやすさ及び耐久性等の品質面を考慮し使用しています。

また、半田にはケスター(鉛入り)を使用しています。こちらも良いサウンド得るというよりも、半田付け作業のしやすさ等の品質面を考慮し使っています。(品質のよい国内の系列ブランドであるタルチン・ケスターの半田を使う事もあります)
ケースにはタカチの10cm×7cm×3cmのダイキャスト製のものを使用しています。これは、ハモンドの1590Bより、加工性・品質が良く、容積が大きく、更に軽量です。

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歪とクリーンの音量バランスが崩れるのを懸念し迷ったのですが、結局、クリッピング切替えスイッチ(ノーマル=DIODE or LED=クランチ用)を追加しました。
また、レイアウト図の中には、回路図にはあった電源逆ざし防止用の1N4001が抜けていましたので、電源ジャックに追加しました。


【サウンドの印象】
私はジャズ専なので、クリーン設定のアンプにペダルをつないで、ペダル単体で歪みを創る使い方しかしませんが…
サウンドは実機と同じくTS-9よりもフラットないし高域寄りで歪みにエッジ感があり、ハムバッキング系メインの私としては好みのサウンドです。
実機でのクリーン音は、バイパス音より硬めですが、自作機では原音に近めの音色に仕上がりました。これは私の好みにはしっくり来ました。
クリーンミックスの使用方法は、まずCLEANを12時に合わせ、好みの歪みサウンドを作り上げるのが簡単だと思いました。(その後、要すればCLEANを再調整)
公式ページに、正しい?設定方法 → http://allaccess.co.jp/voodoolab/sparkledrive/ と、サウンドサンプルがありますので、参考になると思います。
歪みに関しては前に持っていた Visual Sound の Drive Train に似ていると感じました。
なお、前にクリーン・ミックス機能のある Way Huge Pork Loin を持っていたのですが、クリーン音が太目&ウォームな分(本ペダルとは違ってトーン調整ができる)輪郭が若干あいまいで、ひずみ音もTS系らしく中域が豊か&ウォームで私の好みには合わず手放しました。

実機同様に硬めのクリーン音を狙うなら、まずは、MUSE BPをFine Goldに換えると良いと思います。

LEDクリップMODは、ストラト系のギターに対しては荒々しい歪音のバリエーションが増え効果的でした。但し、レスポール系のギターに対しては、歪みのエッジ感が甘く、実戦で使えるレベルの歪みサウンドを得る事はできませんでした。

今回製作したペダルのサウンドは、気に入った自作オーバードライブのうち Sky Blue Overdrive、 Sweet Honey Overdrive に並ぶ品位であると感じました。

ちなみに、海外の自作例で、Sparkle Driveを1590Aケースに収納しているのをWebで見かけました。おそらく、レイアウトをユニバーサル基板用に見直し、更に2層基板構成にしているモノ(凄技でとてもマネできませんorz)と思われます。


【実機の内部は… 】
参考のため、実機の内部写真をWeb上で見つけましたので貼り付けておきます。
(製作完了後にこの写真を発見しましたw)
フィルム・コンデンサには Arcotronics R82 ぽいBOXコンデンサ(AVXではないと思われる)が、音声信号のデカップリング用の電解コンデンサには金色のモノが使われています。(ELNAのAudio用もしくはFine Gold?)
ダイオードと並列に配置するハイカット用のコンデンサはセラミックで間違いない様です。
ICのうち1個はナショナルセミのNE5532P※の様に見えます。

※、概して、NE5532Pはペダル自作派、オーディオ自作派ともに人気のない品種です。
オーディオ自作派の方の「せめてNE5532APを使いましょう」という書き込みを見たことがあります。
また、同系列の国産のJRC5532D, JRC5532DDは、オーディオ自作派の方によると手堅いサウンドとの評価で、オーディオ的にはJRC5532Dの方が若干好ましいサウンドとの書き込みを見た記憶があります。
5532系ではペダル自作派、オーディオ自作派ともに、何と行ってもNE5532Nの人気が高く、現在では希少ICとして高めの値段で取引きされている様です。

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ではでは 
2016年4月吉日
PS 恐縮ですが自作は自己責任にてお願い致します<(_ _)>

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